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☆へっぽこノベリストの部屋☆

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第九章 孤独

アナタだけ。そばにいてくれればイイの

それだけ

一緒にいたいの―――

・・・雫。だいすき

第九章 孤独
「俺はな、昔、モンスターハンターだったんだ。」
「え・・・?」
「そこで,一人の、パキケと出会ったんだ。」
「パキケ・・・?あの、黄色の?」
「そうだ。そのパキケ、鈴瑠って、いうんだ。」
雫は、少し、うつむいてこういった。


「鈴瑠は、俺が、この手で、殺したんだーーー」


それは、とても、悲しいコトバ。


静かな時間。静寂と闇が支配する。


『しーくん!』

「どぉしたのー?雫。」
幽が雫の顔を覗き込む。


鈴瑠の明るい声が、聞こえた気がした。
「お前は・・・」
顔立ち、性格。




鈴瑠に、似ている・・・



「どうして俺が、黒くなったか知ってるか?」
「・・・知らない」
「元は、藍色で、綺麗な色だったんだぜ、俺。」
「・・・自慢?それ。」
幽はくすくすと笑った。
雫は、昔の自分を取り戻しつつある事に気づいた。
「おれはな、支配されちまったんだ。」
「な、何に・・・?」
「モンスターの性質にだ。」
「え・・?」
幽は驚いて,目を丸くしている。
「リヴには、モンスターの性質を持っている奴がいる。そいつが、俺の中にもいた。」
「え・・・」
「俺は、二重人格。今は平気なんだけどな、いつ出てくるか分からない性質を持ってる。だからな、おれは・・・」









  ド カ ァ ァ ァ ァ ン ン  ・ ・ ・


銃声が聞こえた。
銃声、というか、何かが爆発した音のようだった。

「行くか・・・?」
雫が幽に問う。
「行こう!」
幽は立ち上がり、音の方向へ走り出した。



その音が、


悲劇の序章とも知らずに・・・ 


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